2019年08月19日

鏡面仕上げ

普通、包丁の平の部分は霞んでたり木砥仕上げといって斜めに線が入っています。


木砥仕上げはこんな感じです。

ホームセンター売りや改良霞の物はサンドブラストで霞ませるんで、荒い耐水ペーパーみたいな表面になってます。

高級和包丁の平はピカピカの鏡面で見てくれ非常に綺麗です。

オーダーメイドやったら注文次第で全体が鏡面の包丁にも出来たりします。

この鏡面仕上げ、見てくれの他にも良い事が有って、水分が包丁に留まり難くなるんである程度ですが錆びに強くなります。
(車にワックスかけた様な感じかな(・ ・?ワックスみたいには弾きませんけどね(^▽^;))

そしたら、高級和包みたく安価な包丁でも全体を鏡面にしたら錆に過敏にならんで良いやん\(^o^)/って思うんですが、全部を鏡面にするとちょっとした弊害が出て来ます!

一番厄介なのは切った物が切刃にへばり付く事。

ツルツルの物同士の間に水を垂らしたら取れなくなったって経験有りませんか(・ ・?

無かったらガラスにプラスチックの下敷きを濡らして引っ付けてみてください、取れなくなりますから(^▽^;)

台所仕事をする時って包丁はだいたい濡れてると思いますし、食材にも水分が有ります。

その水分が原因で、切刃に張り付いて取れなくなります。

キュウリの輪切りを万能包丁でしたらペッタリ引っ付くのと同じ感じです。

切刃は砥石で出来る傷(霞(・ ・?)が有った方が少しですが隙間が出来るみたいで良い様ですね。


次に、切れなくなった時の手入れが面倒くさい!

鏡面にするためには#1万以上の砥石で磨く、バフで磨く、耐水ペーパーで磨く等が有りますが、前者2つは高価な砥石や機械の購入が必要になって実用的で無いんでだいたい耐水ペーパーで磨く事になります。

ただ、ペーパーでするとせっかく砥ぎ出した刃を擦ってしまって潰す事も有りますし、何より切刃を砥ぐ度にしないといけなくなるのはかなり大変な作業になります。

裏スキの鏡面化なんかも凹んでて非常に手間がかかりますし、切刃と一緒で食材が引っ付きますから、鏡面にしたいならクレンザーで手入れしてたら知らん間に光出した位(半鏡面)が丁度良いと思います。


鏡面化しても切ると言う作業に支障が出ない&常にしなくて良い場所は平、峰、マチしかない訳ですが、平と峰は比較的楽に鏡面に出来ます。

耐水ペーパーで磨くと傷は有るけど顔が映る位の鏡面にはすぐできます。

状況にもよりますが、#500や#1000の耐水ペーパーから徐々に番手を上げて仕上げを#5000位で磨けば店に陳列してるのと比べて少し見劣りする位にまで出来ますし、もっとピカピカにしたかったら番手の細かい物で磨き上げた後にコンバウンドで艶出しするとほんとにピカピカになります。

鏡面化の作業は下地作りが重要になりますんで、前付いた磨き傷をしっかり消さないといけないのが面倒くさいですが・・・

峰と平はピカピカ、切刃の軟鉄が霞んで鋼も光ってるってコントラストの包丁にしたい方は是非挑戦して下さい!

反りの有る先丸蛸引きなんかほんとに日本刀みたくなりますヽ(^o^)丿

本当~~~に綺麗な鏡面にしたい時は番数の大きいペーパーで磨いた後、高番手砥石などで傷が消えるまでひたすら磨き出し、バフにコンパウンドを付けて粗方磨いて布に付けたコンパウンドでこれまたひたすら磨き上げるなんて事をしないといけません・・・(^▽^;)

ちなみに両刃でも可能なんですが、包丁に印刷してある文字部分も消えますんで、消したくない方はマスキングしたりすると良いと思います。

両刃は平がステンレスの事が多いんで錆を気にする事は無いと思いますが、一度ピカピカにしたらよほどの事が無い限りくすむ事も有りません。

ただキュウリ等はしっかり張り付きますんで、しない方が良いかも・・・(^_^;)
  


Posted by まねき  at 00:34Comments(0)包丁