2017年05月30日

墨流しやダマスカス鋼風の包丁

見た目が美しい墨流しやダマスカス鋼風の包丁は使うに値する(・ ・?と以前思ったんでちょっと書いてみようと思います。



包丁の平と切刃に画像のような模様が有る包丁を墨流しと言いますが、多層鋼やダマスカスなどいろいろな呼び方も有ります。

どおでも良い事ですが、現時点で本当のダマスカス鋼は存在しないらしく見た目だけの模造品(ダマスカス鋼風)になるらしいです。


墨流しの包丁は鋼と軟鉄などの違う鋼材を何層も重ね合わせてあの模様を作ります。

見た目が非常に綺麗で同じ模様の物は存在しない唯一無二の包丁で刃物好きな方は魅かれると思います!

はっきり言って自分も欲しいな~~(´艸`*)なんて思った事も有ります。

けど、包丁は道具です!自分の場合は特に使ってなんぼですから綺麗やから買って飾りにするって訳にも行かなく、実用面も考慮しないといけません。

そこで、和包丁墨流しのメリット、デメリットを自分が知ってる範囲で書いてみます。


メリット

1、何を置いても姿の美しさ!

この模様は何とも言えない雰囲気で、人の目を引く事間違いなしの存在感を醸し出してますよね!(*^。^*)

所有欲を満たしてくれる事間違いなしです。

ご家庭のキッチンが対面で、お客さんが良く来る様でしたら目立つのは確実でしょう!


2、作る時にかなり鍛錬され、歪が少なく重量感のあるシャキッ!っとした包丁に出来上がる。

鍛錬する時、初めは2枚の軟鉄と鋼ですが、日本刀みたく折り重ねて鍛錬して多層にするんで鋼材の密度が上がって歪みにくく、かつ心地良い重さの包丁に仕上がるらしいです。
(鋼と軟鉄を折り返し鍛錬で作ってる鍛冶屋さんは少なく、出来上がってる積層の材料と鋼を付ける事が多いんで全部がそうとは言えませんが、模様を波打たたせるために普通の霞より鍛える位と思った方が良いかも。)

3、普通の鍛造包丁より硬い包丁になる。

2の鍛錬の関係も有るそうですが、本焼きと鍛造の中間みたいな感じの硬さの包丁に仕上がるそうです。

包丁は硬い方が良く切れますから普通の鍛造より良い包丁になりやすいみたいですね。

鋼後付けの物はあんまり関係ないかもしれませんけど・・・(^_^;)


デメリット

1、値段が高い。

普通の鍛造包丁の同規格と比べると1.5~2倍位の値段がします。

鍛錬する時の手間が普通の鍛造包丁よりかなりかかるんで、どうしてもその分が価格に乗って来ます。

柄の材料も良いのが付いてる事が多いです(^_^;)


2、錆に弱い。

鋼と軟鉄のサンドイッチですから鋼の部分が錆びやすく普通の鍛造包丁より錆びに弱い。

常にクレンザーで磨く人はどんな包丁でも錆びる事は無いですが、たまに位やと厳しいみたいです。

しょちゅう磨いてると模様が薄くなってくるみたいで・・・(^_^;)


3、普通の鍛造包丁より砥ぎがしんどい。

メリットで上げた「硬い」ですが、包丁が硬くなると砥ぐのに時間がかかりますんで普通の鍛造包丁よりしんどくなります。

普通の合わせ包丁やと硬い部分は先の鋼だけですが、墨流しは柔らかい軟鉄の間にも硬い鋼がはさまってますからなおしんどいみたいです。

人造仕上げ砥で砥ぐとピカピカになりやすく、せっかくの模様が出にくくなります。

以前少し書きましたが、仕上げ砥でも霞ませる方法は有るんです!

有るんですが詳細は後日のネタに・・・(^▽^;)


4、刃先の鋼の出具合が微妙な物が有る。

作りが良くないと砥いだ時に刃先に軟鉄がかぶさって来る物が有るそうです。

よほどの粗悪品みたいですが、そんな物も世に出回ってるって話を聞きましたんで、手に取って確かめてから買う様にしないといけないみたいです。

こんな所でしょうか(・ ・?

自分は価格と手入れの面であきらめましたが、デメリットが気にならないって方には宝物になると思います(b^ー°)


両刃のダマスカス風はステンレスで模様を作った割込みや合わせが多いみたいなんで、墨流しのメリット、デメリットはあんまり当てはまりません。

見た目の違いだけでかなり高価な包丁みたいですんで、お金に余裕の有る人は買っても良いんかな(・ ・?位です。

中には「騙すカス包丁」なんて言ってる人も居る位ですから・・・(^▽^;)


和、洋どちらにせよ見た目の美しさは素晴らしいと思うんで、お金と手入れする時間が有っる人は持ってても良いと思います。


以前少し書きましたが普通の鍛造物にも墨流しみたいな模様の出る物も存在します!


包丁を作る工程の中の冷間鍛造って言われる事をかなりすると鍛流線(金属の木目みたいな物)が出るらしい(・ ・?ですが、かなりの労力が要る様で・・・(^▽^;)

日本刀の地肌模様みたいでカッコいいんですが、なかなかお目にかかる事は有りません。

問屋さんでも近年では稀に見る位だそうですが、運が良ければ鍛流線が出る普通の包丁に出会えるかもしれません!

ムカ~シ作られた古い包丁にはかなりの確率で見る事が出来る様ですが・・・(-_- )



手持ちの包丁にも鍛流線が出ている物が有ります。

何度も画像載せてるんですが、頂き物の堺孝行別誂!




この包丁が手元の来なかったら鍛流線の出る包丁の存在を知る事は無かったと思います。

柄の交換修理を問屋さんにお願いして無かったら不良品扱いして交換したかも・・・(^▽^;)


包丁は古い物に良い物が多いそうです!

おじいちゃんが奮発して買った包丁が錆びてて使い物にならなくても再生したら思いのほか良かった!って事が有るかもしれません。

戸棚の中にしまって有る物が有ったら探して見てはいかがでしょうか(・ ・?
  


Posted by まねき  at 04:18Comments(0)包丁

2017年05月25日

包丁のエラー

前回販売元の銘は保証書みたいな物って書きましたが、保証対象外としてどんなのがエラー(不良)として扱われるか書いてみようと思います。

分かってるとおかしい事に気付けますし、何より買う時の見極めが出来ますから!


包丁は本来食材を切るための物ですから、無茶な使い方して折れただの欠けただのはもちろん保証外です!

普通の使い方してちゃんとした砥ぎをしていたにもかかわらず、不具合が出たら無料修正、返品や交換対象になると思います。

そんな所は電化製品の保証と一緒ですが、物によっては年月が経ったが故に出る不具合に対しても対応してくれるそうです。
(お店にもよると思いますし、絶対補償対象になるとは言い切れませんから販売店への問い合わせは必要です!)



実は前回載せた頂き物の包丁は画像みたく裏の刻印から刃先に向かって鋼にヒビが2本入った年月が経って出たエラー物やったんです。

鋼が締まった事により刻印の角からヒビが入る事がまれに有るそうです。

相談したした問屋さん曰く、「鋼が良く締まってて20年以上経ってると思う!エラー扱いで交換しても良いと思うけど、軟鉄が支えてるから折れる事は無いと思うし、この切れ味は年月が経たんと出んからこのまま使った方が良いのでは(・ ・?」と言う事やったんで、顎に近い所のヒビやったのと頂き物ってのも有るし、そのまま使う事にしました。

事実、異常な位良く切れます!

元々フグを薄く刺身にするためのフグ引きなんですが、カワハギなんかやと名刺位の薄さにする事もできたりする位の切れ味です。


手作りの包丁にはエラーは付き物でして、どれだけエラーの少ない包丁を選んで買うかが良い包丁を手にする秘訣になると思います。

一番ええのは信用できる刃物屋さんを見つける事ですが、田舎暮らしやとなかなか難しいと思うんで・・・


鍛接不良 



これは合せ包丁だけに起きるエラーで、表の刃境に出来た隙間をアイケ(前にちょっと書きましたけど)と言います。

実はこのアイケ、良い包丁を作ろうとすると出来る可能性が高くなるそうです。

鋼と軟鉄をひっ付ける時に焼いて赤くするんですが、この時高温ですると楽に引っ付くらしいんですけど、鋼が傷んで良くないそうです。

鋼を痛めない様に極力温度を上げず鍛接出来るギリギリの所でひっ付けるらしいんですが、温度が低くなるとアイケが出来やすいと言う事みたい。
(大量生産しないといけない所は鋼が傷むのおかまいなしって場合も有るとか・・・(-_-;))

アイケが表に出ている物は基本、正規品として販売される事は有りませんが、B品として安く世に出回る事も結構有ります。

砥いでると消える物も有り、もし消えると安く買えて痛みの少ない鋼の良い包丁を使えますが、消えないと錆の原因になりますんで、定価でA品を買うか安くアイケの有るB品を買うかは賭けですね!

アイケと似た物に裏の地合いが開いたのもエラー扱いになります。

これは刻印を打つ時に出来るそうで、外からの衝撃に耐えられなかった事で起こるそうです。

これも鋼が傷んで無いって言われています。

地合いの開きはどうしようもないんで、エポキシ樹脂でも流し込んで錆防止しないといけません・・・(^_^;)




寝不足の包丁の所で書いたんで詳しくは省きますが刃物屋さんで歪んでる物がそのまま置いて有ったら避けるんやなく、どの位お店に有るか聞いたら良いと思います。

1年以上おいて有る物やったら修正してもらった後反る事はもうないと思いますんで、良く切れる可能性が高いです。
(錆びてるのも長く置いてあるって理由から良く切れる可能性大だそうです。)

ただ、ちゃんと修正出来ないと砥いだ時に刃線と鎬筋が波打ってきます。

ネジレについてはどうしょうも無いんで、余りにも酷いと分かるほどねじれてたら避けて下さい。


柄と本体の角度

真っすぐ付いてて当たり前なんですが、中にはいがんで付いてる物が有ったりします。

店頭の包丁は一本一本調整しながら柄付けしますからいがんでる事はほとんどないと思いますが、個人で柄の交換をした中古品はいがんでたりする時が有ります。

峰や柄尻から見て柄の中心線の延長線が本体と同じ様やったら問題無いんですが、同じサイズでも包丁の先が下がってると重く感じ、上がってると軽く感じるそうです。

出来るだけ真っすぐな物が使いやすく良いとされてますが、エラー物を使った事無いんで良く分かりません。

寝不足の包丁の所で真っすぐな物・・・って書いたと思いますが、柄とも真っすぐかも確認しとかんと変にいがんだ物やったりします。


裏押しの幅、形


上の画像見て頂くと分ると思いますが、砥ぎの際に手を掛けて無い物(改良霞なんか)は裏押しの幅が広かったり狭かったりします。
(改良霞がぜんぶそうかって言うと違う物も有りますんで。)

また、形がいびつな物は砥いだ時に砥石に当たらない所が出て来るんで出来るだけ避けた方が良いと思います。

ちなみに、画像の裏押しの広い所は凸ってて狭い所は凹ってます!

凸に合わせると凹の部分に刃が付かず、凹に合わせて砥ぐとこんな風な裏押しになってまいます。



こっちは出来が良い物です!裏押しの幅が綺麗に揃ってますよね。

裏の見極ですが、蛍光灯の明かりを横向けに包丁に写して柄側から見ながら包丁を上下に動かすと蛍光灯の光が伸びたり縮んだりするんです!

この伸び縮みが何か所も有ると裏側が波打ってる状態で、1ヵ所位やと少し曲がってる状態です。

少しの曲がりくらいはしょうがないと思うんですが、余りにもウネウネしてる物は辞めた方が良いです!

裏のうねりが酷いと最悪刃線が波打ってきて包丁を真っすぐ砥げなくなって来ますんで。


厳密に行くとまだまだ有りますが、よっぽど見慣れて無いと分からんらしいんでここらへんで・・・。


ちなみに、下の画像はどっちも良く切れるんですが上の物が手を掛けて作られた物で、軟鉄と鋼の刃境(右側)にほそ~い線が見えると思います。

そこが本当の刃境で、鋼みたいに白く色が変わってる所は軟鉄です!下の物には有りません。

日本刀の世界では沸(にえ)や匂(におい)って言うそうですが、良く解りません・・・(^_^;)

しっかりと手をかけた物は刃境に見える所に白い線が一本画像みたいに有りますんで、目安に出来ると思います。
(包丁屋さんに上がった時の砥ぎ次第では見えにくい物も有りますのでよ~く見て下さいね。)


刃境の拡大で上下逆さま(上が鋼、下が軟鉄)ですが、画像上が手を掛けて作られた物です。

流石にここまで拡大すると良く解りますね~!


  


Posted by まねき  at 02:37Comments(0)包丁

2017年05月19日

続、鯛ラバ釣行!

さてさて、色々と準備をしていた鯛ラバ釣行ですが、先日ようやく行って来ました!

前回は昼前位の出船やったのと潮がデカすぎで釣果に恵まれず、良く行ってる地元のおっちゃんのアドバイスやった、「早い時間に行った方が良かよ!後、潮のふとか時は釣りにっかけんこまんか時にいかなんぞ!」を参考に少し早めの前より潮の緩い日を選択。

曇天も味方したのか、そこそこ良い釣果に恵まれた様に思います。

狙いの(・ ・?鯛は知り合いが大きくないが1匹ゲット、その他ゲストのアコウ(正式名称キジハタ)800~キロオーバーが5匹、ガラカブが10匹位でした。

近々祝い事が有るらしいんで店の生簀でキープです!


















釣りをしていたら牛深方面から何やらでかい塊がこっちに向かって来てまして、初めは貨物船かと気にして無かったんですが近づいて来るにしたがって全貌が見えだし、とてつもないデカさの豪華客船でした・・・(^▽^;)

帰って調べたらインドネシアを拠点にしているオーベーション・オブ・ザ・シーズって船らしい!

船の上にゴンドラ付きのクレーンが有ってぐるっと360度回るみたいです・・・(^_^;)

スタンダードで約10万、スイートは約70万・・・(-_-;)これでカジュアル船ってやから、貧乏人には金持ちの考える事はよ~分からんです・・・(^▽^;)

乗る事は無いでしょうが、直に見れたのはなかなか良かったかも(´艸`*)

八代港に止まって爆買いでもしはるんでしょうかね~~( ̄▽ ̄;)


  


Posted by まねき  at 02:02Comments(0)釣り

2017年05月16日

平の銘、裏の刻印。

包丁のの部分のにはだいたいが切ってあります。

タガネで切られた物、刻印みたいな物、印刷された物等々いろいろ有ります。

このですが、〇〇作、堺〇〇、登録〇〇、〇〇請合なんて色々な文字が切られてると思いますが、なんやと思います(・ ・?

下の画像は知り合いから頂いた包丁の銘で、登録 堺孝行 別誂って切られてます。



〇〇作って切って有ったら作った人の名前(刀銘)と思ってまいそうですが・・・

銘は包丁の保証書みたいなもんで、上の画像やと青木刃物製作所の登録商標が堺孝行で、この包丁の品質は青木刃物が保証します!的な物なんです。

包丁を鍛えた所は堺の鍛冶 土井打刃物製作所、砥いだ所は刃付け屋 山塚刃物製作所だそうです(青木刃物HPのWBカタログに載ってます)。

問屋さんである青木刃物が鍛冶の土井さんと砥師の山塚さんに注文して異常が無いか最後にチェック、柄付けなどの組み立てして、製品としてして販売する時に堺孝行の銘を切って売る!

なんで、堺孝行をネットで検索すると青木刃物のサイトがヒットします。

いろんな銘の包丁が有りますが、だいたい販売してる所の商標や金物店の名前、金物店が自分ちのオリジナル商品として付けた銘が切られてる事が多いと思います。

ですから、築地に有る有名ブランドのお店や九州の刃物店にも堺で作られた包丁が産地を伏せて(・ ・?並んでたりもします。

何処で作られた物かを聞いたら教えてくれると思いますが・・・


画像の包丁の別誂は白二鋼を使った特上ランクの包丁に切って有る様で、他にも白三鋼を使った本霞研ぎの上作などが有ります。

包丁のランク付けは各メーカーで違うんで、同じ別誂や上作と銘の切られた包丁でも鋼材、仕上げ砥ぎが全然違う物も有るみたいです。

JIS規格みたいなんが有ったら分りやすいんですけど・・・(^▽^;)

まぁお店に足を運んで購入する時はネットでの買い物と違って同じ種類でいろんなメーカーの物が有りませんから比較出来ないんですけどね・・・(^_^;)


堺の包丁ではちゅうか、ちまたに出回ってる包丁では鍛冶屋さんや砥師さんたち製造者の名前が世の中に出る事はそんなに有りません、出ても問屋さんまでの様です。

中子には鍛冶屋さんの刻印や伝統工芸士の認定番号が打って有ったりしますが、柄の交換を個人でしない限りまず見る機会は無いと思いますし、打って無い物も有るんで・・・

中には誰が手掛けたかを記して販売している問屋さんも有って、包丁の裏に刻印されてます。
(料理人の中には良い包丁を作る製造側を知っていて問屋さんに鍛冶屋、刃付け屋の指名してお願いしたりする人も居ますから、売りやすくなりますしね!)

ちなみに、料理界で名の通った方が監修したって銘が切って有る物も有るそうですが、名前だけの安物が多いとか・・・(^▽^;)

どの業界も監修って物はそんな感じやと自分は思ってますが・・・(^_^;)


裏の刻印はしてある物、して無い物があります。

刻印は鋼に焼き入れする前の柔らかい時にしか打つことが出来ないらしく鍛冶屋さんが製作途中で打ち込みますんで、この刻印も保証みたいな物になると思います。

表のよりこっちの方が重要かもしれません!

は後からどうにでも出来ますが、刻印は出来上がった包丁に打つと割れたり、しっかり打てないみたいですから!

ただ、どの世界にもずるい輩は居るもんで、白三の包丁に白二の刻印打って出してる鍛冶屋と店も居るらしいって問屋さんが言ってました。

余りにも価格差が有る物は疑ってかかる方が良いって事になるんですが、やっぱり信用できる所から買うのが一番見たいです。


刻印は裏の地合い(鋼と軟鉄の境目)付近に打つことが多く、ちゃんと鍛接出来て無いと刻印を打った時に地合いが開いて隙間が出来る様です。
(裏の地合いに隙間が出来た物は鋼が熱で傷んで無くて良く切れるって話も有りますが・・・)

刻印が有る物は、だいたいどの鋼材を使って有るかが記して有って、安来鋼青二白二等々有ります。

表のと同じ刻印の物も有ったりしますけど。

青二白二って打って有るのは分りやすいんですが、安来鋼は包丁に使われてる上質な鋼材全般の事になるんで、どれっ(・ ・?って事になります。

堺で安来鋼はおおよそ白三鋼刻印だそうで、何も無いのは黄紙鋼やSK鋼みたいなんですが、だいたい下位の鋼の事が多いと思います・・・(^_^;)

他の産地で作られた物は安来白ってのも有りますが、これも一、二、三のどれか分らないってのが有りますんで、ちゃんと確認しないと吹っ掛けられてても分からなかったりします。

下の画像は使ってる鋼の種類と、鍛えた鍛冶屋さんの刻印が打たれた物で、左が土井打刃物製作所で作られた青二鋼、右が富樫打刃物製作所で作られた白二鋼になります。

どちらの鍛冶屋さんも堺でトップレベルの方々です!


作り手の刻印まで有ったらまず間違いないんですけど、刻印も無いとどんな物か疑わしくて・・・その分安いんですけどね・・・(^▽^;)

なんか名前が入ると高くなるってブランド物のバッグみたいですけど、その分通常の使用で何か有ったら責任取りますって事ですから、作り手、販売元の自身の現れでしょうね!


専門店などに置いて有る和包丁はが切って無い物も有るんですが、それには自分の名前や好きな言葉なんかを切ってもらう事もできます。

ただこの銘切り、見た目は簡単そうなんですが、銘切り職人の技術とセンスがものを言う仕事で、上手な人は下書き無しでオオッΣ(・ω・ノ)ノ!ってを切られます。

中には登り竜や虎、宝船、魚の漢字を平に敷き詰めるなんて事が出来る方も!

もし銘を切ってもらう時は並んでる包丁のかっこいいと思ったを切った職人さんにお願いするのが良いと思います。

上手な職人さんの手間賃は高いし、注文が多くて時間もかかると思いますが、せっかく良い包丁を買っても銘切りが良くないと見るたびにがっかりしますんで、ここはけちらずにした方が良いでしょう!

一文字100円が150円とか200円になる位ですから、よっぽど文字数が多くない限り値段がビックリするほど跳ね上がる事は有りませんので!


包丁屋さんのネットショップでたまにチョットした不具合が有って定価販売できないB品が売ってたりするんですが、B品も平の銘が有りません。

保証できないからB品で販売な訳ですから!

個人名や好きな言葉なんかやったら別料金で切ってくれると思いますが・・・

ホームセンターに有る物は売りっぱなしで不具合が出ても修正する方が高く付いたりしますから買い替えする方が賢いと思いますが、わざわざお店に出向いて高い買い物をする時はちゃんと銘が切られてる物を買う方が良いと思います。

きちんと修正が出来る様やったらB品買っても良いと思いますが、同じB品でもピンキリですから注意した方が良いでしょうね。

名前の通ってる包丁屋さんが売ってるB品やと酷い物は無いと思いますが、オークションなんかで出てる物は信用できないんで何とも言い難いと思いますし、ノークレーム前提ですから・・・(-_-;)
  


Posted by まねき  at 00:18Comments(0)包丁

2017年05月12日

天然砥石と人造砥石。

GWも終わって日中は暖かいんですが、夜になるとまだ寒い日が続いています・・・(^▽^;)

例年やともうちょっと暖かいと思うんですが、今年は・・・(-_-;)


さて、だいぶ前に人造砥石の粒度の違いを書きましたが、ちょっと突っ込んで今回は天然物と人造物の違いを書いてみたいと思います。

そんなに詳しい訳でも無いんで間違いも有るかもしれませんけど、自分が感じた範囲で・・・(^▽^;)


人造砥石は天然砥石と比べると、品質が安定している、価格が安い、研磨力が強い事が挙げられます。

品質と価格の事は以前書きましたんでひかえますが、研磨力が強い事は早く砥げる!って事になります。

使ってる粒子の角が立ってる!分かりやすく言えば三角形をしてるんでガリガリ削る事ができるそうです。

実際は下画像みたく三角やないんですけどね。

⇓以下の画像をクリックすると拡大画像に!⇓

(キング#1000拡大です。)

また、粒子が崩れにくい(角が丸くなりにくい)んでいつまでもよく砥げる!

かたや天然砥石は角が丸い粒子(六角形位と思ってもらったら良いかも)が多く、砥いでるうちに崩れて丸くなるし、不純物(・ ・?みたいな砥ぎに必要無い物も内包しててなかなか砥げないと言う事らしいです。

(天草砥石拡大)

速く砥ぐ事を考えると、天然より人造の方が格段に上なんですが、粒子の角が立ってる分傷が深く入って消すのに苦労します。

人造で砥ぐとV字の傷が付いて、天然やとU字の傷になるって表現が良くされてます。

V字の傷はしっかり消さないと面で反射するんでキラキラ光るけど、U字の傷はちょっと残ってても乱反射するから肉眼やと見え辛いって言った方が良いかも!


人造砥石は粒子の角が崩れにくいんで、綺麗なツルピカの切刃にしたいと思うと粒度違いの砥石をいくつか揃える必要が有ります。

また、研磨力が強いが故に刃先に返りが出来やすく、取りにくい傾向が有ります。

ステンレス鋼みたく粘りの強い鋼材ではいつまで経っても返りと格闘してなかなか刃先が整わない事も・・・(^▽^;)


天然砥石は人造に比べると研磨力は弱いですが、傷が消しやすく、返りも気づいたらガッツリ出てたって事が少なくなるんで処理もわりと楽に出来ます。

粒子も崩れて行くんで#1000~#5000や#8000~#12000なんて言う可変粒度って言い方をしたりします。

ただ、一本の砥石で番手が変わりますから大まかな仕分けしか無く、荒砥、中砥、仕上げ砥の各仕分けの中で使ってる砥石がどんな位置に有る性質かを見極める必要も有ります。

荒、中、仕上げを持ってると大抵の事は出来ますが、時間が掛かるんで刀剣の砥ぎ師さん以外は荒砥、中砥はあんまり使わない様ですね。


ちなみに、天草は天然中砥の産地で、茶色や黄色の縞模様が綺麗な虎砥、薄い鼠色や白い備水砥(びんすい)なんかが有名です。
(ホームセンターに並んでる天然なんかがそうです。)

西海岸にゴロゴロしてる石なんかも砥石になるのが有るかもしれません(^O^)/

本当かどうかは知りませんけど、勝手に持って帰ったのが見つかると御用って話を聞いた事が有りますが・・・(^_^;)


それはさて置き、天然で仕上げた包丁と人造で仕上げた包丁は刃の持ちが違って来ます!

天然で仕上げた方が良く、永く切れます!

一説では付く傷の関係では(・ ・?って話しですが、良く解って無いそうで・・・(^_^;)


硬い人造仕上げ砥石で切刃を砥ぐとわりとピカピカになりますが、天然仕上げ砥石は種類次第で刀みたいな感じの刃境がしっかりした見た目に仕上げる事が出来ます。

また、天然砥石で砥ぐと下画像みたく鍛流線って言う墨流しみたいな模様が出て来る包丁も有ったりします。


人造砥石でも砥泥をいっぱい出して力を抜いて砥ぐと刀みたいに出来るんですが、力加減が難しいのと手がドロドロに汚れるんで手洗いがめんどくさい事に・・・(^_^;)

さすがに鍛流線は人造では出て来ませんけど。


切れる事だけを考えると人造砥石で十分なんでしょうけど、見た目や少しでも切れ味、永切れにこだわりを持ち始めると天然砥石が良い様です。


何事も追い求めると道具の数がどんどん増えて・・・(^▽^;)

趣味で砥ぎをするも良いですが、度が過ぎるととんでもない事になりますから・・・(-_-;)
  


Posted by まねき  at 03:23Comments(0)砥石