2021年07月23日

砥ぐ時に何気にしてる事ですが。

この前の薄刃を砥いでる時にふと思ったんですが、ご自分で砥がれている方は包丁の歪み、刃線や鎬筋のライン等々砥ぎながら頻繁に確認されてるでしょうか(・ ・?

これ、確認を怠るととんでもない事になります(;´Д`)

自分が日々使ってる包丁やったら形状や砥ぐ場所等把握してますから、あんまり気にせんで砥ぎ始めたりしてますが、それでも度々確認します。

初めて砥ぐ包丁の場合は砥ぐ前に今がどおなってるんか、どこを修正するか確認するためにしばらく眺めてます(●´ω`●)

歪みが有ったら砥ぐ前に修正しとかんと砥ぎ出したら刃線と鎬筋が波打ってきたり・・・(~_~;)


左右の歪みは画像(見いくいですが( ̄▽ ̄;))みたいに包丁の刃を上にして光の角度を調整して良い感じに見える所を探して下さい。

酷くない物やったら手でクイクイしてやったら元に戻るんやけど、場所を間違えるたら刃線が蛇行しますんで、判らないようでしたら無理はしないで刃物やさんに持ち込んで下さいね(^_^;)


刃線を見る時は包丁を横に向けると切っ先から顎までの刃線が良く解ると思います。

この薄刃は自分が使いやすい様に少し太鼓腹にアールを付けてますが、真っ直ぐにしたかったら確認しながら真ん中を砥ぎ下ろして行きます。

しのぎ筋の確認もこの方法で刃先を逆に向けると良く分かります。

どの砥石でも確認しながらしますけど、特に荒砥を掛けている時は頻繁に確認しないと思ってる以上に砥ぎ過ぎて形を崩してしまいます。


今回の薄刃みたいに大々的な修正が必要な時は、何処まで砥ぐかマジックで印を付けたりしてそれを目安に砥ぎ出します。

ただ、#1000ならまだましやけど、荒砥で印の側を砥ぐと砥ぎ汁がいらん事してくれて、マジックが直ぐ消えますからちょっと砥いだら確認して印の書き直ししたり感覚頼りになるんですけど(;´Д`)

鎬筋やと、予定場所の少し下辺りににケガキするのも良いと思います!


マジックは色々と確認するのに使えまして、例えば切っ先が上手く砥げ無い時なんかに切刃を塗りつぶして砥石に当てると砥げて無い所は残りますから、その部分を当てるように角度の調整が出来ます。

感覚でしてた事が目に見えますんでかなり砥ぎ易くなるんやないかと(^_^)b


何にせよ、日ごろから使い終わったらしっかり水分飛ばしたり、長期間使わんのやったら油塗るとか、ちゃんとメンテ&無茶な使い方をせんかったら大々的な修正する必要は有りませんから(^▽^;)  


Posted by まねき  at 01:27Comments(0)包丁

2021年02月20日

人造砥石で出た鍛流線Σ(・ω・ノ)ノ

包丁の鍛流線を出す為には天然砥石が要ると所々に書いてきましたが、#1000で砥いでも鍛流線が出る包丁を見つけてしもた( ̄。 ̄;)

今まで書いてきた事が全部ぶっ飛んでしもたやんけ(;゚ロ゚)

今までの内容は出る可能性が有る物に天然当てて見える様にしてましたけど(ってか確認のために砥いでる包丁全部を部分的に当ててるんやけど(^O^))、作り方でここまでの物が出来るとは・・・堺の鍛冶屋さん恐るべし(^0^;)


この包丁はいろいろ砥いでみたいと前にオークションで買ってそのまましまい込んでた物です。

初見は何を切ったらこんなに刃が欠けるんや(;´Д`)って思った薄刃!

ご家庭で堅い物を切るのに使われたんやないでしょうか(>_<)

まぁ包丁の強度を考慮せずに良く切れるから堅い物もいけるやろうと何でもかんでもって事はご家庭では往々にして有ることですけど(;´Д`)

修理する値段を聞いてビックリして売りに出したんやないかと思いますが、もったいない事です(ノД`)

銘は堺刀司 岩国作!

まだ鋼材が何か解りませんが、今普通に買ったら白で3万近く、青やったら5万位する代物です(~_~;)

買値は1/10以下(^_^;)

残欠砥ぎに飽きてきた(>_<)もとい(^0^;)、いろいろと考えて試すのに疲れてきたんで何か気晴らしにええもん無いかと整理してたんですが、その中でこれの切り刃しっかり見たら鍛流線の痕跡が有ったんで、#1000で砥いでみたら出て来よりました(^◇^;)

画像は取りあえずざっくりと#8000まで当てた物ですが、綺麗にしてやったらどおなるか楽しみです( *´艸)

こんなのがいっぱい出来たら墨流しの包丁は需要減るでしょうね~(^O^)

まぁ自分も初めて目にしたからそうそう出来る代物ではないでしょうし1丁仕上げるのにかなり苦労しそうですけど(^0^;)

それはさておき結構傷んでますから、歪取り、表裏の錆取り、平、切り刃の調整と欠けの修正等々やること目白押しっす( ̄。 ̄;)

おおよその見当は付いてますけど使われてる鋼材も解りませんから、白紙やったら修正はまだ楽ですけど、もし青紙やったら・・・(^0^;)

回転砥石が欲しくなってきた(^_^;)


鍛流線が出てる包丁って墨流しみたいに見えますけど、墨流しより品がええと思ってるのは自分だけやろか(・ ・?

墨流しやダマスカス風っていかにも!って感じでいやらしく思うんですよね~( ̄。 ̄;)

出来上がりは残欠と平行しながらになりますんで、向こうが出来てからになるとおもいますが興味のある方はしばらくお待ちください(^◇^;)
  


Posted by まねき  at 22:08Comments(0)包丁

2020年12月25日

包丁の購入時に気を付けたい事

この1年はコロナのせいで家に要る時間が増えそれに伴って家庭の食費も増えたとだいぶ前にニュースで言ってました。

家庭の食費が増えたって事は、台所仕事も増えてる訳で、道具の使用時間も自ずと長くなる。

そうなると、例えば1ヶ月は保っていた包丁の切れ味が2週間~3週間で切れなくなってきてると思います。

とある刃物屋さんでは今まで料理人の来店や問い合わせが多かったそうですが、お家時間が増えてからは来ることが少なかった家庭のお客さんが良い物を探しに来ることが多くなったそうです。

近くにそう言うお店が有る環境やと見に行って納得して買って帰ることが出来ますが、田舎暮らしをしているとなかなかそう言う訳には行きませんからネットでサクッとって思ってしまうのではないでしょうか(・ ・?

ネット環境が充実している今日この頃、ほとんどの品物が通販で購入できてとっても便利なわけですが、服のサイズみたく現物を触って確認しないとダメな物の1つに手打ちの和包丁も入ってると自分は思っています。

ただ、自分は包丁は触っただけでは分からず、砥いでみてなんとなく良いかどうか判断出来る位でしょうか(;´Д`)

陳列されてるのを見ただけで善し悪しが解る人は刃物を相当触ってる人(・ ・?


さて、皆さんが包丁を選ぶ時の基準ってどんな物が有りますか(・ ・?

使われてる鋼材の種類(・ ・?

正本、杉本や堺孝行と言ったブランド(・ ・?(・ ・?

出来上がるまでに携わった人の知名度(・ ・?(・ ・?(・ ・?

どれも大事な事やと思うんですが、自分が思ってる一番大事は使いやすいかどうか!です。

使いにくい包丁はいくら切れてもそのうち戸棚の肥やしになっていく運命ではないかと( ̄。 ̄;)

この使いやすさは包丁のバランス(重心の位置)で大きく左右される物で、切る時に大きな違いになって来ます。

自分なんかはほぼ和包丁使いますけど、洋包丁に比べるとかなりの先重心です。

このバランスが同じ規格の包丁で見た目や文章で解るか(・ ・?って~とやっぱり触らないと分らない物ですし、人それぞれ好みのバランスが有ると思います。

和包丁の場合、柄の素材でもバランスが変わりますし、同じ規格の物でも柄に刺さってる角度で重く感じたり軽く感じたりするそうです。

同規格の身に重い素材の柄を使うと重心は柄の方によって来て軽く感じますし、軽い素材やと切っ先に近づいて重く感じます。

他にもいろんな要因でバランスは変わって来るんですが、めんどくさくなるんでこれだけで・・・(^_^;)


触ってバランスを確かめて購入したい包丁ですが、近くに取扱店が無かったりすると多額の旅費を掛けて触りに行く事になります。

便利になった世の中でそんな非効率的な事をする人は居ないでしょう!

こんな事かいてますが自分も3丁ほどネットで買いました・・・(^▽^;

大阪までの旅費で高級品1本買えますから、それやったらと購入予定のお店に色々質問したり、欲しい物の条件を言ったりしてそれに見合う物はこれ!ここを妥協したらこれ!等々候補をいくつか出してもらった上での購入でした。

要は売り手が信用するに値するか!やと思います。

また、話を詰めて行くとネット上には載せて無い品物の話しなんかも出て来たりしますんで、パソコンとにらめっこだけして買うのはちょっともったいない買い方やないかな(・ ・?その時思いました。

実際、自分が買った包丁の中に20年ほど前に造られた4寸の小出刃が有ります。

この包丁はネット上には出して無い物やったそうで、話ししてる中で「こんなん有りますけどどう(・ ・?古いからちょっと錆びてるけど20年寝てるから切れ味は文句なしやと思う。」って提案もらって買いました。

使ってみたら、ま~~ビックリする位良く切れます・・・( ̄▽ ̄;)

使い始めの頃は骨の柔らかい魚捌くと気付かないうちに骨削いでた事も有ったり・・・(^▽^;)

キンキンの刃先にするとちょっと触っただけでも手の皮が切れて血がにじんだり、髭が剃れたりする刃が付く包丁で、少しづつ鈍角に砥いでようやく良い感じに折り合い付けた位です・・・(;^ω^)

こんな経験からネットのショッピングモールに出てるお店で、専門知識バッチリ有って売ってる所ってどの位有るか知りませんが、大手メーカーの機械でバシバシ作った物以外はあんまり信用できない様な気がしていて・・・(^▽^;

規格品を買うのに非常に便利なネット通販ですが、個々で性格が変わる物を買う時はやっぱり実際に確かめて買うか、いろんな話を詰めて相手が信用するに値するかどうかの確認をした方が良いんやないかな~~って思いました!

まぁショッピングモールに出てるお店も質問にはちゃんと対応してくれると思いますけど(*^_^*)


今年の年末年始は自宅で過ごす方が多いと思いますが、ただでさえせわしくなる時期ですんで一呼吸置いて、道具の手入れをしっかりして、ストレスの少ないお家時間をお過ごしください(*^O^*)
  


Posted by まねき  at 21:36Comments(0)包丁

2020年11月05日

刃物砥ぎの価格・・・。

良く見ている大阪の砥屋さんのブログに載ってる事柄に、来る依頼の中で「包丁砥ぐのに出せても千円までやからそれでしてくれ!」なんて事がちょくちょく有るそうです。

ちゃんとした砥ぎをしている物やったり、手入れが行き届いてる物なんかは刃先だけ砥いで終了!ってな事は日常ですが、しばらく放置していてサビサビやったり、長年刃先ばっかり砥ぎ続けて鋼が軟鉄ギリギリやったり、我流で砥いで形が崩れてると元に戻すのにえらいな手間と時間がかかります(-_-;)

思い入れが有る物やったらいくらでも出すから砥ぎ直して!って事になると思うんですが、日常使いの物にはホント出せても千円までが限度なのも解る気がしますがね・・・(;^ω^)

切れなくなったらまた砥がないといけないわけですから・・・(-_-;)

まぁ自分みたいなマニアックな輩以外は切れりゃええ訳ですから3千円も4千円も出して砥いでもらう必要も無いって考えなんでしょうが・・・(^_^;)

形が崩れた物やサビサビを再生した事の有る方ならどれだけ大変なことか解ると思うんですが、かなりの労力が必要になります。

自分も気合い入れて砥ぐ時は時間も手間もかかりますから、それを人件費+消耗した砥石の経費で金額に換算すると、まぁ~~ええ金額になるのも事実でして・・・(;^ω^)

1度サビサビ状態から見てくれほどほどで使えるまでにするのにどの位の時間がかかるか時計見ながら砥いだ事が有りますが、手仕事で1丁仕上げるのに6時間位かかった事が有りました・・・(^_^;)

形状の修正は少ししましたが、歪修正する必要が無かったんで幾分かは楽でしたが表、裏ともまっ茶っ茶な状態でして・・・(>_<;)

熊本県の最低賃金が今現在793円ですから、6時間ですと4.758円!

それに消耗した砥石代(人造の荒砥、中砥)が500~1000円位かかったとして、ざっくりですが5千円越えになります。

最低賃金でこの価格ですから、そこに技術料だのなんだのが入って来るとますます高くなる訳で・・・(~_~;)

機械使うともっと早くできますが、今度は経費に機械の金額も入ってきますから、安くなっても3~4千円位やないでしょうか(・ ・?

そんな事を考えると巷で良くある包丁砥ぎます!の金額500円なんてのは刃先だけをチョコチョコっと砥いで終了しないと割の合わない金額って事になってきます・・・(^▽^;)

刃先をちょっと砥いで歪の確認して所要時間15分ほど(・ ・?早けりゃ5分もかかりません。

金額的には安いと思いますが、ある意味ぼったくりかも・・・( ̄▽ ̄;)


ちなみに、サビサビ、変形の物を形の修正&歪修正~鏡面or鍛流線が出るような化粧砥ぎを手仕事ですると、まるっと2日位かかってしまいますから、人件費だけで3万越えに・・・Σ(゚ロ゚;)

これに砥石も天然物をガッツリ使った日にゃ~あ~た(◎_◎;)


天然砥石を頻繁に使う砥ぎでは日本刀が有りますが、砥ぎの価格は1寸(約3cm)につき4千円~2万位と手のかけ方で幅は有りますが、それなりのお値段です。

包丁の規格サイズにも有る刃渡り30cmの短刀の砥ぎ価格は安くて4万はかかる訳で・・・(;^ω^)

まぁ日本刀は美術品、包丁は日常の道具ですから、仕上がりから使う道具も違うわけで、包丁砥ぎの価格は安くて当たり前なんでしょうが、似たクオリティーを求めると同じくらいの価格になっても不思議ではないと思います。

そんな金額払える訳は無いし、そこまでの化粧砥ぎを頼む人もそうそう居るとは思わないんですが、尺位の包丁を砥ぎに出すなら状態次第ですが、最低でも5千円位は見ておいた方が良いんやないでしょうか(・ ・?


ちなみに、包丁も長さや種類等で砥ぎの価格は変わってきます。

ブログの砥ぎ屋さんの価格設定では下記の料金からだそうでして、引用させていただきます。

家庭用庖丁

一般家庭用ステンレス包丁 1,000円~
家庭用割り込み三徳包丁 1,300円~
家庭用サイズ 出刃包丁・刺身包丁 1,500円~
※自分で砥いだり他店で砥いで変形している物・刃欠け等がある場合は割増料金。

本職用包丁・・実用向け並仕上げ

柳刃包丁24cm以上27cm以下 2,000円~
柳刃包丁30cm以上 4,000円~

出刃包丁18cm以上21cm以下 2,000円~
出刃包丁24cm以上 4,000円~

薄刃包丁20cmまで 3,000円~
薄刃包丁20cm以上 5,000円~

本焼包丁 8,000円~

※仕上げ砥石・天然砥石等による化粧仕上げは倍額程度。
※大出刃・尺柳刃でご自身で砥がれ直線刃及びツル首等の変形の場合1万円以上の場合あり!!

だそうです。


この価格から始めてくれるのは自分的には良心的やと思ってるんですが、巷価格からしたら高いのかもしれませんね~~(^▽^;)

ビフォーアフターの画像を見る限り、仕上がりは文句の付け所が無いですから、値切る人はそこまでの仕上がりを求めて無いって事なのかもしれません。

砥ぐ方は中途半端はしたくないと思うから依頼者との間に溝出来るんでしょうね~~(~_~;)

箱から出して使った時以上の切れ味になってるのは確実なんですが...( = =)   


Posted by まねき  at 21:54Comments(0)包丁

2019年09月24日

返りの処理

今回は返りの処理について書いてみようと思います。

どんな包丁でも砥ぐと刃先に返りが出来ます。

居らなくなった包丁のカスな訳ですが、これが綺麗に取れてないとせっかく砥いでも包丁が切れません!

天然仕上げ砥石で砥ぐと片刃でも両刃でもヘマをしない限り綺麗に取れる事が多いんですが、人造中砥で砥ぎを終わるとなかなか取れないのが実情やと思います。

以前自分が良くやってたのは下の画像見たく裏砥ぎの時に先に押して刃先に返りを出ない様に砥いでたんですが、両刃でこれをするとどうしても持ちてがぐらついて完璧に取る事が出来なかったり、せっかく砥ぎ出した刃先を潰したりしてました。
(後から調べてて解ったんですが、この方法あんまりしない方が良いみたいです・・・(^▽^;)


でっ今度は新聞紙に角度を付けて刃先を押し当てて峰側に擦る!

表が終わったら裏も同様にってする様になりました。


この他にもGパンに擦り付けるや昔の床屋さんがしてた皮の裏側(スウェード(・ ・?)で擦る等々方法はいろいろ有る様です!

ただ上記方法でもン(・ ・?って思う事が有ったんで、今は仕上げ砥石でしてますが・・・(^_^;)

要はどこまで求めるかなんでしょうけど、どの方法でも返りは取れます!

自分の場合中砥の刃先が気に入らんかったって事が分ったんで仕上げ砥石までしっかりかけるようになりました。

以前書いたメラミンスポンジも良いんですが、鋼の包丁は仕上げ砥で刃先を整えるとよっぽどのことが無い限り綺麗に取れてくれますし、ステンレスの両刃はともかく銀3鋼片刃は砥石でした方が早いです。


中砥で終わりたい時は返りが極力出ない様に軽~く撫でる様にすると良いみたいですね。

余談ですが、天然砥石は人造砥石に比べると研磨力が弱いんで返りが出にくく返りの処理が楽に出来ます!

まぁ仕上げクラスの良い値段する石の話しで、中砥でクラスではあんまり期待しない方が良いみたいですけどね・・・(^▽^;)
  


Posted by まねき  at 00:59Comments(0)包丁

2019年08月19日

鏡面仕上げ

普通、包丁の平の部分は霞んでたり木砥仕上げといって斜めに線が入っています。


木砥仕上げはこんな感じです。

ホームセンター売りや改良霞の物はサンドブラストで霞ませるんで、荒い耐水ペーパーみたいな表面になってます。

高級和包丁の平はピカピカの鏡面で見てくれ非常に綺麗です。

オーダーメイドやったら注文次第で全体が鏡面の包丁にも出来たりします。

この鏡面仕上げ、見てくれの他にも良い事が有って、水分が包丁に留まり難くなるんである程度ですが錆びに強くなります。
(車にワックスかけた様な感じかな(・ ・?ワックスみたいには弾きませんけどね(^▽^;))

そしたら、高級和包みたく安価な包丁でも全体を鏡面にしたら錆に過敏にならんで良いやん\(^o^)/って思うんですが、全部を鏡面にするとちょっとした弊害が出て来ます!

一番厄介なのは切った物が切刃にへばり付く事。

ツルツルの物同士の間に水を垂らしたら取れなくなったって経験有りませんか(・ ・?

無かったらガラスにプラスチックの下敷きを濡らして引っ付けてみてください、取れなくなりますから(^▽^;)

台所仕事をする時って包丁はだいたい濡れてると思いますし、食材にも水分が有ります。

その水分が原因で、切刃に張り付いて取れなくなります。

キュウリの輪切りを万能包丁でしたらペッタリ引っ付くのと同じ感じです。

切刃は砥石で出来る傷(霞(・ ・?)が有った方が少しですが隙間が出来るみたいで良い様ですね。


次に、切れなくなった時の手入れが面倒くさい!

鏡面にするためには#1万以上の砥石で磨く、バフで磨く、耐水ペーパーで磨く等が有りますが、前者2つは高価な砥石や機械の購入が必要になって実用的で無いんでだいたい耐水ペーパーで磨く事になります。

ただ、ペーパーでするとせっかく砥ぎ出した刃を擦ってしまって潰す事も有りますし、何より切刃を砥ぐ度にしないといけなくなるのはかなり大変な作業になります。

裏スキの鏡面化なんかも凹んでて非常に手間がかかりますし、切刃と一緒で食材が引っ付きますから、鏡面にしたいならクレンザーで手入れしてたら知らん間に光出した位(半鏡面)が丁度良いと思います。


鏡面化しても切ると言う作業に支障が出ない&常にしなくて良い場所は平、峰、マチしかない訳ですが、平と峰は比較的楽に鏡面に出来ます。

耐水ペーパーで磨くと傷は有るけど顔が映る位の鏡面にはすぐできます。

状況にもよりますが、#500や#1000の耐水ペーパーから徐々に番手を上げて仕上げを#5000位で磨けば店に陳列してるのと比べて少し見劣りする位にまで出来ますし、もっとピカピカにしたかったら番手の細かい物で磨き上げた後にコンバウンドで艶出しするとほんとにピカピカになります。

鏡面化の作業は下地作りが重要になりますんで、前付いた磨き傷をしっかり消さないといけないのが面倒くさいですが・・・

峰と平はピカピカ、切刃の軟鉄が霞んで鋼も光ってるってコントラストの包丁にしたい方は是非挑戦して下さい!

反りの有る先丸蛸引きなんかほんとに日本刀みたくなりますヽ(^o^)丿

本当~~~に綺麗な鏡面にしたい時は番数の大きいペーパーで磨いた後、高番手砥石などで傷が消えるまでひたすら磨き出し、バフにコンパウンドを付けて粗方磨いて布に付けたコンパウンドでこれまたひたすら磨き上げるなんて事をしないといけません・・・(^▽^;)

ちなみに両刃でも可能なんですが、包丁に印刷してある文字部分も消えますんで、消したくない方はマスキングしたりすると良いと思います。

両刃は平がステンレスの事が多いんで錆を気にする事は無いと思いますが、一度ピカピカにしたらよほどの事が無い限りくすむ事も有りません。

ただキュウリ等はしっかり張り付きますんで、しない方が良いかも・・・(^_^;)
  


Posted by まねき  at 00:34Comments(0)包丁

2019年06月28日

切刃、光らせたい派(・ ・?、霞ませたい派(・ ・?

包丁好きを二分するとピカピカに光った物が好きな人としっとり霞んだ物が好きな人に別れると思います。

ってか2つしか無いやろ( `ー´)ノって話しなんですけど・・・(;^ω^)

自分は後者の霞ませたい派です。

見た目の問題で切れ味にはほとんど影響無い(切刃を鏡面まで研ぎ上げた場合は影響出ます!)事なんで、どうでも良いって言えばそれまでなんですが、砥いでるとやっぱり綺麗に仕上げたいって思ったりしますんでちょっと書いてみようと思いました。


光らせるにせよ霞ませるにせよウン十万円の高級品レベルの出来を求めなければ、ホームセンターに有る砥石の使い方次第で光らせる事も霞ませる事も出来ます。


砥石の硬、軟の所でアフターの砥ぎをメインでされてる砥ぎ師さんが、光る霞むで硬軟使い分けしてるって書きましたが、実は硬い砥石でも柔らかい砥石でも砥泥の使い方でなんとでもなります。

しいて言えば、硬いと霞みにくい(・ ・?柔らかいと光りにくい(・ ・?位です!


硬、軟どちらの砥石でも共通しているんですが、しっかり泥を出して軽く抑えて砥ぐと霞み、泥を洗い流しながら強く抑えて研ぐと光ります!

流石に軟質の#1000で光らすのはちょっとしんどいですが、軟質でも高番手の砥石やと硬くなって来ますから結構簡単に砥ぎ分け出来ます!

下の画像は硬質砥石の#1000で泥を流しながら砥いだ切刃です。

割と軽めに砥いだんでちょっと霞んでますけどこんな感じに光ります。


こちらは泥を流さず給水程度で泥出して砥いだ画像。


軟質#1000砥石で洗いながら砥いだんですが、軽く砥ぐとこんな感じに・・・(^_^;)

軟らかい分きつく霞んでると思います。


もっと強く押し付けて砥ぐともうちょっと光って来ますが、力加減でまだらに霞んだりしますんで・・・(-_-;)

軟質でも#3000位になると楽に出来そうです。

持ってませんからした事無いですが・・・(^▽^;)


仕上げ砥石でこれをすると、もっとピカピカに光ったりしっとり霞んだりします。

天然仕上げですると(砥石の種類にもよりますが)日本刀みたいに綺麗に霞んだり、鏡面一歩手前まで出来ますからコンパウンドで磨くとピッカピカにも出来ます。

余談ですが、しっかり鍛えて有る包丁に軟らかめの天然で霞を入れて硬い天然で磨くと前に書いた鍛流線が奇麗に出て来ます!

天然仕上げの硬、軟質両方お持ちやったら試してみるのも良いかも知れません(〃艸〃)
  


Posted by まねき  at 00:40Comments(1)包丁

2019年03月18日

綺麗に砥げたかの確認。

前に切れ味の・・・で書いたやり方で確認しても問題無いんですが、前の方法やと砥げて無くて滑るのか、返りが有るせいで滑るのか解りにくいと思いましたので補足と言うか、こんな確認の仕方もって感じで1つ!



砥ぐと返りが出て来る訳で、それを綺麗に取って初めて良い切れ味が得られる刃先になるのはご存知かと思いますが、人造砥石で返りの処理をすると研磨力が強いが故に取る作業をしているはずが新たに返りを生み出してる事が多々有ります。

#1000で両刃の返り処理すると特になりやすいんではないでしょうか・・・(;^ω^)


返りが取れてるかの確認は、砥ぎ上げた包丁で画像みたく軽く丸めたティッシュペーパーを切ると返りが取れてない所に繊維が残りますから良く解ると思います。


帰りが取れてないとこんな感じに刃先に白い繊維が・・・(;^ω^)

ちなみに、ティッシュペーパーの繊維は返りには残りますが、砥げて無かったり刃欠けの所にはあんまり残りません。

まぁ砥げて無い所は前書いた確認段階で滑るんで解ると思いますが。


きれいに砥げてると刃先に繊維は残りませんし、軽く当てて引くだけで画像みたくティッシュもスパッッ!っと切れます。

確認する時はくれぐれも手を切らない様に気を付けて下さい。  


Posted by まねき  at 16:58Comments(0)包丁

2019年02月26日

鞘制作のススメ!

個々の刃物店にもよるんですが、そこそこする包丁には和、洋問わず日本刀みたいに鞘が付いてる事が有ります。

柔らかい朴の木で出来てて包丁の刃を保護するために有る鞘なんですが、家で使うのには全く必要ない代物です(^▽^;)

鞘に納めるとこんな感じになってかこいい(・ ・?いかにも高級品って感じはしますけど・・・


包丁は基本室内でしか使いませんし、理由も無く持ち歩いていると銃刀法違反で御用になりますし・・・(-_- ;)

バーベキューするにせよ、ほとんどは現場で材料焼くだけにして行くでしょうからハサミ以外の刃物はまず必要ないと思います。

ご家庭で頻繁に使ってる包丁は流し付属や卓上使いの包丁差しを使って収納すると思いますが、あんまり使わない物は新聞にくるんで棚の中に有る事が多いんやないでしょうか(・ ・?


付いて来る&売ってる木鞘は必要は無いですが収納用に段ボールで鞘を作っておくと、使おうと思った時の手間と使い終わった後の手入れが少し簡素化出来ます。

包丁の本体部分だけをきつめに新聞でくるんでそのまま段ボールで挟んで、峰と刃側に竹串を付けて曲がりに対する強度を上げて布テープでグルグル止めると鞘の出来上がりです。

見てくれ不格好ですが、こんな感じにになります。

顎付近に有る穴は竹串を刺して抜けを防止するための物です!


本体を包む新聞に椿油を染み込ませておくと、包丁にわざわざ塗る必要も無くなりますし、使う時もサッと出せて使い勝手が良くなると思います。

棚から出す時に誤って落としたとしても、段ボールが保護してくれますから、包丁を痛める事も怪我する事も無いかと。


見てくれは良い物やないですが有ると結構便利ですし、材料もほぼ廃品ですから作ってもそんなに財布のダメージになる事は無いと思います。

特に鋼の包丁は常に油が付いてる状態に近くなりますから錆び難くて便利やないかと!


新聞に染み込ませる油はホームセンターなんかに売ってる刃物椿って商品か純椿油にしてください!

てんぷら油なんかを使うと酸化してベトベトになって抜けなくなりますから・・・(~_~;)

天草に住んでる方やったらお土産で食用可の椿油が売ってますからすぐ買えるんですが、刃物椿は合成油みたいなんで奇麗に拭き取ってから使った方が良いです。

それと、たまには鞘から抜いて手入れしないと錆が出てるのに放置って事が有りますから気を付けて下さいね!


ちなみに、良く使う包丁に鞘が付いてたら画像みたいに物の間に挟んで棚の上に上げておくとすぐ使えて便利ですよ!



自分は100均のファイルラックに新聞詰めてその間に挟んでます。



  


Posted by まねき  at 01:21Comments(0)包丁

2019年01月08日

水牛桂柄の加工

年末年始のせかせかした時期が過ぎて、少しゆっくり出来る様になったんで久々の更新です(^_^;)

さてさて、使い勝手が悪い物は使い易い様に加工しちゃいましょう!と常日頃って思って生活しておりますが、今使ってる出刃の柄が今一つ良く無いんで水牛桂の柄を加工してみようと思いました。

店を始める前に実家から持って来た種子島で作られた両刃の出刃です。

初めはステンレス桂の柄が付いてたんですが、どうしても包丁が刺さってる部分に汚れが溜まり易く、掃除するのが面倒なのと見てくれがあんまり良くなかったんで水牛柄に交換していました。

最近ちょくちょく魚の持ち込みしてくれるお客さんが居るんで兜割に使うんですが、釣って来られる魚のサイズが良いんで割るのにも力を入れないと割れません・・・(^▽^;)

その時に手が滑って上手く力を入れる事が出来なかったりします。

濡れた手で持つ事が多いし、柄が丸いから手の中でクルッと少し回るんですよね~( ̄▽ ̄;)

八角の柄に交換しょうかと前々から思ってたんですが、わざわざ買うのもめんどくさいし、このサイズ(6寸用)の物は値段も結構するんで自分で削る事にしました。

もともとこの出刃の身のサイズより大きい出刃に使う柄やと思える物を付けてたんでちょうどのサイズになるんやないかと( *´艸`)


ヤスリとペーパーで桂をちまちま削ってそこそこ形を決めて、鉋で木を削ってこんな感じになりました!


左右均等にしたつもりやったけど柄尻から見たら側面の幅が違ってた( ̄▽ ̄;)

メインに握る所は桂部分と同じやったけど柄尻部分を削りすぎたみたいです(>_<)

均等にするために今以上削ると細くなり過ぎるし、握った感じも悪くないんで問題無いやろ~(≧▽≦)

ちゃんと寸法測って線引いてたらこんな事にはならんかったんでしょうが、何分目測でしてましたからね~(;^ω^)

八角にする予定やったけど握った感じ刃側は削る必要無さそうやったんで、六角半丸になりました。

後は桂の頭と江尻の面取りして磨いてピカピカにして終了。


ご家庭で使ってる出刃が力入れた時に滑って回る様やったら側面部分だけでも削ればだいぶ変わると思います。

今回載せた物は両刃の出刃ですから、切刃の幅が左右そこそこ均等に砥げてると兜割してもそこまで回る事は無いんですが、片刃の出刃は確実に鋼側に刃先が進んで行きます・・・(~_~;)

兜割なんかで力を入れてる時にそっぽ向く包丁ほど怖い物は有りませんから・・・(◎_◎;)

DIYがお好きな方はやってみてはいかがでしょうか(・ ・?



水牛桂の柄を削る場合、桂部分を削り過ぎると強度が落ちて包丁を焼き込んだ時に割れる可能性が有りますのでくれぐれも慎重に、自己責任でお願いします。

水牛桂は黒が1番強度が有り、マーブル模様が中間、白が一番もろく割れやすいそうです。


桂部分に画像みたくひび割れみたいな物が有る柄は削らない方が良いでしょう。

自分がしていて割れた事は無いですが、多分ここから亀裂が進んで割れると思いますんで。

水牛桂にひびが有ったり、プラスチック桂の柄で桂部分の加工が出来ない物は木の部分だけでも良いと思いますよ(`・ω・´)b

加工する時に出来れば1寸大き目の包丁用の柄を準備出来ればいいと思います。

そのままの物をガッツリ削るとひょろひょろの柄になりますんで・・・(^▽^;)

今付いてる物を削る時は現物と相談しながらして下さいm(_ _)m  


Posted by まねき  at 01:18Comments(0)包丁