2018年02月09日

白紙三鋼の利点!

前に包丁の鋼の種類をいろいろと書きましたが、その中の白紙三鋼は鋼系の包丁の中でも結構見下されてる感があると思います。

白紙二鋼が板前が使う包丁の基準みたいな位置付けなもんで、白三鋼が安物みたいな感じになってるんやと思うんすが・・・(^▽^;


見下されてるであろう白三鋼ですが、白三には白三なりの利点がやっぱり存在します!

白二と比べると柔らから切れ止むのが速いって言うのは確かなんですが、柔らかい分砥ぎが速く終わるんで非常に楽です。

包丁を使う上で砥ぎが楽に出来る事は切れ味云々より良い事やと自分は思ってます。

いつまでも砥石とにらめっこしながら砥ぎをするのはマニアな人間以外苦痛でしか有りませんので(;^ω^)

使用頻度が低い場合は(営業目的で使った場合の使用頻度ですが!)白三鋼でも申し分ない切れ味を味わえます。


次に、刃先の欠けに対する気の使い方が少なくてすみます。

白二以上の高炭素鋼は硬い分チョットした事で欠ける事が有ります。

それこそピンピンにベタ砥ぎした刃先では魚の血合い部分の小骨を切った位でも欠けます。

これが白三の包丁になると鋼材が柔らかい分刃先は丸くなりがちですが、欠けを気にして使う事が白二なんかと比べると少なくなります。

砥ぎ直しの時も欠けるとそこまで砥ぎ出して新しく刃先を構築する事になりますんでかなり大変ですし、包丁が直ぐにちっちゃくなります。

欠けずに丸くなるだけやと再構築までしないで刃先を整えるだけで良い事が多いんで砥ぎが楽ですし、欠けた時より小さくなり辛い。

また、錆びた時の手入れが高価な鋼材に比べれ楽に出来ます。

錆びに関しての詳しい話は長くなりそうなんで後日のネタにしようと思いますが、錆びたらクレンザーでゴシゴシとあまり気を使わなくて済みます。

でっ、1番の利点は価格です!

白二の物と比べると白三の包丁は5~6割位の価格で買えますから本格的な物が欲しいと思ってる人には持って来いやないでしょうか(・ ・?

ホームセンターに有る包丁を今まで使ってたけど良いのが欲しい!けど白二以上の包丁を買うには金額が気になる・・・(-_-;)って方には白紙三鋼の包丁は価格もそこまで高く無いですから良いと思います。

以前も書きましたが、いつもの包丁屋さんは1万以上の価格の物では切れ味は大差無く、永切れするかどうかが価格の差!って言ってます。

同じ鋼材、価格で切れ味に違いがあるとしたら、携わった職人さんの腕の違いになるんやと思います。

ちなみに、いつもの包丁屋さんが職人さんに頼んで、ガッツリ手を掛けて作ってもらった白三の8寸柳刃の価格が約3万!

同じ職人さんが卸してるであろう堺の老舗の物が約1万7千円!

3万出せば老舗の白二同寸が買えますが、白二より砥ぎやすく、それでいて白二に迫る切れ味が有るそうです。

それこそ天然で仕上げれば高確率で鍛流線が出て来ると思います!


同じ材料でも造り手、造り方で全く別物になるのが包丁です。

高い鋼材使ってるのに安い!はお買い得!!と思う所ですが、その分手抜き(職人さんの人件費削減)な物の確率は高くなるんやないでしょうか(・ ・?

低価格で売るのに材料の値段は基本変わらない訳ですから、削れる所は人件費と儲けですよね!

儲けを出さないと商売になりませんから、人件費を抑えると、職人さん側で此処までしといたら大丈夫ってラインで納品。

結果、良い鋼材使ってるのに本来の性能が十分引き出せて無い物になってしまう。

かたや安い鋼材やのに高い!は敬遠しがちですが、職人さんがしっかり手を掛けて作られた物で有る事が多いと思います。

上記内容とは全く逆の事が言えるんやないでしょうか(・ ・?

目に見えにくい部分の値段ってやつですよね!


信用出来るお店に足を運んで(メールでも良いですが)店員さんと話をして自分が欲しい物やどんな物が有るのかしっかり聞く!

これが一番大事やと思います。

話ししてると飲食店の裏メニューのごとく、思わぬ掘り出し物に出くわす事も有りますんで(^O^)/  


Posted by まねき  at 00:06Comments(2)包丁