2017年08月08日

砥ぎ減った両刃包丁のメンテナンス!

どんな包丁でも砥ぎ続けると減ってちっちゃくなって来るのは当たり前なんですが、両刃の包丁は和包丁ではあんまりしない砥ぎをすると格段に切れ味が上がります。

切れ味が上がるちゅうか、切れ込みが良くなる!

食材にスッっと包丁が入る様になるって言った方が良いでしょうか(・ ・?

和包丁はベタ研ぎを続けて行くと平の幅がだんだん狭くなって来ますが、絵みたく切刃の幅はあんまり変わりませんし、刃先の角度もさほど変化しません。
(お持ちの包丁の切刃幅が変わってるとしたら砥いでる過程で狭く、もしくは広くなる砥ぎ方をしているって事です。)



両刃の場合は基本、クサビ形になってます(家庭用は均一な厚みが多いと思いますが!)んで、刃先を同じ角度で砥ぎ続けると絵みたいな形になって行きます。



こうなって来ると、初めは薄く、切刃の幅も狭かったから切れ込みが良かったのに、切刃の幅も広く、分厚くなって切れ込みの抵抗になります。

和包丁に例えたら刺身包丁と出刃包丁の違いみたいかな(・ ・?

元の状態に戻そうと思うなら包丁全体を砥げば良いんですが、ペロッペロの包丁になるし何よりかなりの労力が要りますんで、機械でもないとまず無理です。

そこで、元の刃先の状態には出来ませんが、下の絵の黒塗りの部分を砥いで削ると切刃が薄くなるんである程度の切れ込みの回復は出来ます。
今ある鎬筋を上げて刃先を鋭利にしてやる訳です。

刃先以外の場所を砥いで形を整えるこの作業は「肉抜き」なんて言いますけど!

ただそのままやと鋭利になった分刃先の強度が無くなってパキパキ欠けますんで、糸引きを左右や片刃風に付けると欠けにくくなります。

毎日使っててあんまり気にならないかも知れませんが、かなり砥いだ包丁にこの砥ぎをするとビックリする位違うと思います。

たかだか2~3mmの厚みしか無い包丁ですが、するとしないじゃ大違いなんです!

鎬筋を付ける時は何処まで肉抜きするか場所を決めてマジックで書いておくと砥ぐ時の目安になると思います!

砥ぎ終わったら残ったマジック跡をクレンザーで磨くなり、マニキュアの除光液なんかの溶剤で落とせば綺麗に取れます。


三枚打ちや割り込みの万能包丁みたいに鎬筋が初めから有る物やとベタ研ぎをすれば自然と肉抜きしてる様なもんですから、さすが和、洋の良い所取り包丁ですね(*^▽^*)

鋭く切れて、切れ込みが良く、砥ぎやすく、使いやすい!難点は刃先に出てる鋼のサビ位でしょうか(・ ・?


和包丁でも短くなると切っ先近くが分厚くなるんで肉抜きはするんですが、画像の枠の中辺り位です。

枠の部分位から切っ先に向けて裏側へ下ってますから、包丁が分厚くなるとそこも高くなって来ます。

砥ぎぬいて低くしてやれば前の感覚で使いやすくなりますが、丘のてっぺんがだんだんアゴの方に移動していきますんで。



ホームセンターで売ってる家庭向けの全鋼ステン両刃は、しのぎ筋から峰まで同じ厚みの真っ平らな物が多いですから、肉抜き作業じたい必要は有りませんので使ってる包丁を確認してみてください!

鎬筋上げて切れ込みを良くしても良いんですが、刃こぼれしやすくなって使い方に制限が出て来ますんで、あくまでも刃先側より峰側が厚くなってる物だけです!
  


Posted by まねき  at 01:17Comments(0)包丁