2017年02月02日

寝不足の包丁。

寝不足の包丁(・ ・?って思いますよね・・・(^_^;)

鍛造手作りの片刃包丁を鍛えた後すぐに製品にすると1年もしないうちにが出て来るそうです。

って何や(・ ・?と思われるかも知れませんが、出来上がった包丁の生地は数ヶ月そのまま置いておくと裏側(鋼側)に曲がって来たりして真直ぐや無いそうです。

なぜにって事を書きだすと、バラバラになった鋼の分子が時間が経つにつれ所定の位置に云々と理系のなんともめんどくさい説明をしないといけないんで端折りすが・・・(^▽^;)

堺の問屋さんでは鍛冶屋さんから上がった生地安価な物は3ヶ月以上、高級品は1年以上寝かせてを取って砥師さんに渡して包丁に刃を付けて売りに出すんですが、寝かせた鍛造の包丁でも年月が経つと裏側に曲がって来る物が有ります。

何ヶ月、何年単位での話しなんですけどちょっとずつちょっとずつ・・・気が付いたら曲がってる(゚Д゚;)って具合です。

買った後にこのが出た包丁が寝不足の包丁って訳です!


丁寧に作られた物は絵(毎度ですが極端に書いてます)の右側みたい綺麗に、そこそこで作られた物は左側みたいに蛇行するみたいっです。

丁寧とそこそこと書きましたけど、包丁の機能としては十分な作り方をした上でもっと手を入れたか入れなかったかのレベルでの話です。

酷い物はもっとグニャグニャになるそうで・・・(^_^;)

この現象は良い包丁になって行く過程で必ず起こる事で、この過程を終えた包丁なんかは「鋼が締まって良い!」って表現をするそうです。

ただこの、絵みたいに曲がるだけやと良いんですが、峰から刃先方向に雑巾絞った様によじれる事もまれに有ります。

曲がりに関しては包丁屋さんで修正してくれますし、ちょっとしたコツが分れば誰でも出来ると思うんですが、よじれは包丁屋さんでも修正出来なくて、砥師さんにお願いして修正になるらしいです。

曲がりの修正方法はそんなに難しくは無いと思うんですが、これ読んでやったら怪我したとか、余計に酷くなった、折れたって言われても責任もてませんから書くの止めときます。


曲がった包丁の修正は包丁屋さんにお願いして真っすぐにしてもらうんですが、この作業にも上手、下手が出て来て、ほんとに上手な人がすると綺麗に真っすぐな包丁になります。

かたや下手な人がすると見た目は真っすぐなんですが、砥いで行くうちに刃線や鎬筋がいがんで来ます。
(砥ぎ方が悪くていがむ事も有りますんで、一概には言えませんけど。)

左右にびみょ~に波打ってる状態ですね!

こうなると凸ってる所は砥石に当たるんで早く削れて凹ってる所は当たらなくなります。

また、裏は真っすぐで刃線はいがまんけど、鎬筋がいがんで来るや、その逆になる事も有ります。

前者はご家庭でも根性が有ったら修正できるんですけど、後者は刃付け屋さんで直してもらうしかないほど厄介みたいです。

一番良いのは真っすぐで歪の無い包丁の購入なんですけどね!

ただ、手作りの包丁で歪が全くない物はほぼ有りませんのであんまり気にし過ぎるのも良くないと思います。

ある程度の妥協が必要って事です。


もしご家庭でお使いの包丁が曲がってても捨てないで包丁屋さんに持って行って下さい!

買った時に寝不足やったのが、しっかり寝た証拠ですから真っすぐにしてやったらシャンと目覚めて今まで以上に仕事してくれますんで(b^ー°)

上の絵位やとサービスで修正してもらえると思いますけど、グニャグニャになってる物は工賃取られたり買い替えを進められるかもしれません!

自分で良ければ無料でさせてもらいますが、ちゃんと出来るかは保証出来ませんので・・・(^▽^;)
  


Posted by まねき  at 00:37Comments(1)包丁