2017年01月23日
包丁の本刃付け!
このブログを始めて間もない頃に「買って来たばっかりの包丁は砥がないとダメですよ~」って書いてましたけど、糸引き同様簡単に書いただけやったんで、今回は本刃付けについてちゃんと書いてみます。
以前書いた様に、買って来たばっかりの包丁はちゃんとした刃が付いてません。
付いて無いっていうより、段刃に砥いで有ります!
この段刃を無くして切れ込みが良くなる様にベタ砥ぎにして切れ味重視やハマグリ刃にして永切れ重視など、お好みの切れ味にする作業を本刃付けって言います。
堺産以外の新品をこの所触って無いんで他の産地の物は良く解りませんが、堺で職人さんが砥いだ包丁は本刃付け前提で砥いでる事が多く、さほど苦労する事無く刃先までベタ砥ぎ出来るんですが、ホームセンターに並んでる物はかなりきつい段刃が付いてて、ベタ砥ぎするのはかなり苦労すると思います・・・(^_^;)
出来てる段刃を利用してハマグリ刃にする方が利口かな(・ ・?
それはさておきベタ研ぎで切刃を砥いで行くと下の画像みたいなクボミが出て来ます!
クボミてなんや(・ ・?って思いますよね(・ ・?
自分が使ってる堺の包丁には、切刃にクボミが有りました。
今はちょとづつ砥ぎ上げたんで有りませんが。
画像の枠の部分が砥石に当たっていない(砥げていない)所ですが、他の所より光ってるのが分ると思います。
これは包丁制作時、回転砥石って言う車のタイヤに砥石が付いてて回ってる感じの物で砥ぐ時に出来るそうです。
前に本霞、霞、改良霞が有るって説明したんですが、覚えてらっしゃいますか(・ ・?
回転砥石で出来たこのクボミを手で砥いで均し、ほぼ目立たなく綺麗に仕上げたのが本霞、ボコボコの物にサンドブラスト(砂やガラス粒を吹き付ける機械)でクボミが目立たない様に霞ませたのが改良霞だそうです。
(ホームセンターに有る物はほぼサンドブラストで霞ませた物ですが、改良霞かどうかは分りません。)
なんで、改良霞を砥ぐと下画像みたく切刃の砥石に当たらない所のクボミがボコボコと目立ってきます。
(紙やすりみたいな感じの所が砥石に当たってない所です。)
このクボミは堺産の包丁のほとんどの物に有るそうです。
ちなみに初めの画像の包丁は霞仕上げ位ですかね。
このクボミ、霞位やとあんまり切れ味に影響は無いんですが、改良霞をそのまま使うと手の感覚が敏感な人はちょっと引っ掛かりを感じると思います。
後、見た目が良くないんで砥いで無くします。
改良霞みたいにクボミが酷い物や段刃がきつい物をベタ砥ぎする時は荒砥を使った方が早く出来ますが、形が崩れる可能性も大きくなりますんで気を付けて下さい!
中砥の#1000でじっくり砥いでも良いんですが、段刃がきついとベタ砥ぎが終わる前に切れなくなって段刃を砥ぐ事になったりますから使用頻度を考えて砥がないといけません・・・(^▽^;)
砥ぎ進めて段刃やクボミが無くなったらほぼ本刃付け終了!
後は仕上げ砥石で切刃をツルピカにしたり、糸引き刃を付けたりして自分仕様に仕立てて行けば完成です!
本刃付けって言葉にはいろいろな意味合いが有るみたいで、今回書いた刃先までベタ砥ぎする事やったり、切刃のクボミを消すことやったり、使い手の望む刃付けにする事(本人好みの刃付け=本刃付け)って考えやったり色々有る様です。
堺の包丁屋さんはサービスや別料金で綺麗に研ぎ上げてくれますが、お金出したく無かったり、自分で砥ぐのが楽しみな人はそのまま購入も良いと思います。
いっきに砥ぐのはけっこうしんどいんですが、段刃をチョコチョコ砥ぐんやったら切刃をちょっとづづ砥いで買った包丁を育てて行くみたいな感じも良いですね!
自己満足の世界ですが・・・(^_^;)
2017年01月15日
糸引き刃の付け方、詳細!
だいぶ前と先日に糸引き刃の説明はしましたが、ちゃんとした砥ぎ方の説明してませんでしたので、今回したいと思います。
ベタ砥ぎが終わったら下画像みたくなりますよね!
この状態が一番良く切れますけど、魚の小骨を切った位でも欠けます・・・(-_-;)
ベタ砥ぎが終わったら仕上げ砥石で刃先だけを砥ぐんですが、10円玉4~5枚位が平の所に入る角度!だいたい40°位が良いと思います!
立て過ぎると切れない刃先に、寝せ過ぎると切れるけど欠けやすい刃先になります。
良く解らんかったら包丁を砥石に直角に立てて半分寝かせたら45°、そこからちょっとだけ寝かせた位です。
一応角度の目安です!片刃は裏を基準に、両刃は中心を基準に角度を決めて下さい。
寝かせ気味で糸引きを付けたい時は最高でも30°位が良いと思います。
和包丁の切刃は20°位で付いてますんで、砥石にぺったり付けた所から少し起こした位になると思います。
絶対にこの角度で砥がないとダメって事も無いんで、だいたいこん位って感じで覚えてもらって大丈夫ですんで!
角度が決まったら後は切っ先から顎まで順番に押して引いての往復を2回位、砥石を撫でる位の軽い力で砥ぎます。
撫でる位の軽い力!は包丁の峰に軽く手を添えてぐらつかない様にして、気持ち押さえてるかな(・ ・?って位が良いと思います。
6寸以上の出刃包丁なんかは包丁の重さだけで十分です。
#1000でする時は1回押すだけで十分な糸引き刃になりますんで、気を付けて下さい。
やり過ぎるとあっちゅうまに段刃になりますから!
表を砥ぐと裏側に返りが出ますから、裏砥ぎで出た返りを綺麗に取って終了です。
慣れて来ると切っ先から顎まで一気に出来るんですが、慣れないうちは分割した方が良いと思います。
ちなみに、両刃でする時は表か裏のどちらかだけに糸引き刃を入れる方が返りの処理が楽に出来ます。
どっちもした方が良いと思いますが、返りが綺麗に取れんかったら刃先にまとわり付いてお話になりませんし・・・(^▽^;)
まぁ右利きやったら表、左利きやったら裏が良いんやないでしょうか(・ ・?
微妙ですけど和包丁の右用、左用みたいになりますし、何より普段の砥ぎの延長で出来る動作ですから砥ぎやすいんで!
これ読んでも分からん(>_<)って思った方、コメントお願いします!
自分もどんな風に説明したらええか悩んでたりしますんで・・・(^▽^;)
手元の画像載せろとか、何でも良いんでお願いしますm(_ _)m
ベタ砥ぎが終わったら下画像みたくなりますよね!
この状態が一番良く切れますけど、魚の小骨を切った位でも欠けます・・・(-_-;)
ベタ砥ぎが終わったら仕上げ砥石で刃先だけを砥ぐんですが、10円玉4~5枚位が平の所に入る角度!だいたい40°位が良いと思います!
立て過ぎると切れない刃先に、寝せ過ぎると切れるけど欠けやすい刃先になります。
良く解らんかったら包丁を砥石に直角に立てて半分寝かせたら45°、そこからちょっとだけ寝かせた位です。
一応角度の目安です!片刃は裏を基準に、両刃は中心を基準に角度を決めて下さい。
寝かせ気味で糸引きを付けたい時は最高でも30°位が良いと思います。
和包丁の切刃は20°位で付いてますんで、砥石にぺったり付けた所から少し起こした位になると思います。
絶対にこの角度で砥がないとダメって事も無いんで、だいたいこん位って感じで覚えてもらって大丈夫ですんで!
角度が決まったら後は切っ先から顎まで順番に押して引いての往復を2回位、砥石を撫でる位の軽い力で砥ぎます。
撫でる位の軽い力!は包丁の峰に軽く手を添えてぐらつかない様にして、気持ち押さえてるかな(・ ・?って位が良いと思います。
6寸以上の出刃包丁なんかは包丁の重さだけで十分です。
#1000でする時は1回押すだけで十分な糸引き刃になりますんで、気を付けて下さい。
やり過ぎるとあっちゅうまに段刃になりますから!
表を砥ぐと裏側に返りが出ますから、裏砥ぎで出た返りを綺麗に取って終了です。
慣れて来ると切っ先から顎まで一気に出来るんですが、慣れないうちは分割した方が良いと思います。
ちなみに、両刃でする時は表か裏のどちらかだけに糸引き刃を入れる方が返りの処理が楽に出来ます。
どっちもした方が良いと思いますが、返りが綺麗に取れんかったら刃先にまとわり付いてお話になりませんし・・・(^▽^;)
まぁ右利きやったら表、左利きやったら裏が良いんやないでしょうか(・ ・?
微妙ですけど和包丁の右用、左用みたいになりますし、何より普段の砥ぎの延長で出来る動作ですから砥ぎやすいんで!
これ読んでも分からん(>_<)って思った方、コメントお願いします!
自分もどんな風に説明したらええか悩んでたりしますんで・・・(^▽^;)
手元の画像載せろとか、何でも良いんでお願いしますm(_ _)m
2017年01月12日
日常の手入れ!
あけましておめでとうございます。
昨年は地震など大変な事が起こって気苦労された方も多いと思います。
今年は少しでも明るい年になればと思います。
今回は日常にちょっとするだけで切れ味長持ちの手入れの方法を!
料理屋では帰る前に毎日包丁を砥いでる!なんて記事を目にした事ってありませんか(・ ・?
高級料亭の親方は朝から各弟子の包丁見て砥いで無かったらやる気が無いって判断して帰れって言う人も居るとか。
確かに忙しい所は砥いでますし、そうでなくても良く使う包丁は2~3日も使えば切れ味が落ちます。
確かに忙しい所は砥いでますし、そうでなくても良く使う包丁は2~3日も使えば切れ味が落ちます。
個人経営のお店で毎日切刃全体を砥いでるかって言えばNO!やと思います。
(ベタ研ぎの切れ味が良くてしてる人も居るかもしれません!)
以前糸引き刃って研ぎ方の話しを書いたと思いますが、そこだけを砥いで刃先を整えると元の切れ味が復活します。
以前糸引き刃って研ぎ方の話しを書いたと思いますが、そこだけを砥いで刃先を整えると元の切れ味が復活します。
切刃全体を砥ぐのは結構大変ですが、糸引き刃だけの砥ぎやと労力も時間もほんの少しで刃先が鋭くなります。
糸引き刃だけを砥いでいるとどんどん鈍角な刃先になりますが、鈍角になって抵抗が増したせいで切れ込みが悪くなったと思いだしたら、切刃全体を砥いでキンキンの刃にすればまた良く切れ込む包丁になります!
ス~ッって砥石を撫でるだけですんで、包丁を持つ手の角度さえちゃんと固定出来たら誰でも出来ますし、包丁4本お持ちでしたら1本1週間使ったとして1ヶ月は使える計算です。
移動販売の包丁屋さんが来る周期に合わせて使うスパンを調整して、包丁屋さんが来たらガッツリ砥いでもらうのも良いかもしれませんね!
もし糸引きが段刃になった包丁を頼んで砥いでもらう時は、「刃先までベタ研ぎして下さい。」って頼まないと刃先を整えて終わりになる可能性が有りますんでご注意下さい。
画像の上が付けたばっかりの糸引きの幅、下が使い続けた糸引きの幅って思って下さい。
本当は刺身用の鋼(上)と、なんにでも使う銀三(下)なんですけどね!
ちなみに画像は2倍位の拡大ですんで、鋼の画像位の糸引きを付けるとン(・ ・?って感じになると思います。
糸引きだけ付けるとなると、中砥石やなくて仕上げ砥石だけ持ってれば良いですし、砥石が薄くなって買い替えって事も無くなります。
仕上げ砥は高いですが砥石自体が硬いし、糸引き刃だけの砥ぎやとほとんど減らないんで一つ持ってると包丁より長持ちすると思います。
研ぎの紹介ブログなんかを見てるといつ砥いだら良いか分からん!って質問なんかを目にする事が有りますが、切りにくい(-”-メ)って感じた時が砥ぐ時です。
その時に糸引き刃の付け方を知ってると、料理してる最中でも仕上げ砥でチョイチョイッっと砥いで良い刃になった包丁を使う事が出来るんで、切れないストレスから解放されます。
また、刺身を切る前にガッツリ砥いだ包丁を使うと鉄臭い刺身になりますが、刃先だけ整える位やと気になる様な匂いが刺身に付く事は無いと思います。
一番良いのは一日の台所仕事が終わった後に砥ぐ事ですけどね。
切れなくなった包丁をご主人に頼んで砥いでもらってる奥さんが糸引き刃を付けれる様になったらお願いする回数も格段に減るんで、嫌な顔される事も少なくなりますから奥さん方に是非とも覚えてもらいたい研ぎ方です。
ただ、段刃に近い糸引き刃が付いた包丁を元の状態に砥ぐのは結構苦労しますんで、回数は減ったけどしんどいってご主人がもっと嫌がるかもしれません・・・(^▽^;)